高齢者の人生の質に影響するQOL

介護の仕事をしていると、いろいろな専門用語を耳にします。QOLは、よく飛び交う専門用語の一つです。QOLはQuality of Lifeを意味する言葉で、生活の質・人生の質と訳されます。介護業界では介護サービスを利用する高齢者の満足度に焦点を当て、QOLを高めるための支援を行います。

身体機能が低下している高齢者に対しては、機能訓練を通じて身体機能を高めるサポートをします。たとえば筋力が落ちて歩行に支障が出ている高齢者の場合、機能訓練によって筋力がつき歩行がスムーズになるように支援します。

歩行がスムーズにできるようになれば、これまで介助がなければ困難だった外出もしやすくなります。家の中でも外でも、やりたいことができる喜びを感じられるようになるのです。その結果、QOLが向上します。このように、QOLの高さは高齢者が充実した晩年期を送ることに深く関わります。

家に閉じこもりがちで孤独を感じている高齢者の場合も、QOL向上が課題といえます。このようなケースでは、デイサービスを利用して外に出る機会を作るよう促すのもよい方法です。デイサービスでは、ほかの利用者や介護スタッフなどいろいろな人と接する機会が増えます。そして、コミュニケーションが活発になり、結果的にQOL向上につながります。

もちろんこれは、静かに過ごすことが好きな高齢者には当てはまりません。大切なのは、高齢者一人ひとりが望む支援を行うことです。高齢者の希望に耳を傾け、個別性を尊重し、QOLを高めるための支援を行う必要があります。